設楽監督、クラブの伝統の壁に敗れる~バルサチーム退任
中村俊輔のキック精度とイブラヒモビッチの決定力を軸に*1ドイツの地方クラブを欧州三冠王座にまで導いた設楽監督は、名将の名を確固たるものとするために新たな挑戦の場としてFCバルセロナを選んだ。
前チームでの愛弟子でもあるイブラヒモビッチを連れ*2、バルセロナでもイブラを軸とした速い展開とバルサの伝統でもあるティキタカの融合を目指した設楽監督だったが、クラブの伝統でもあるティキタカは想像以上に選手たちの体に染みこんでいた。*3
就任当初こそメッシやイブラといった違いを生み出せる選手たちの個人技により勝ち星を拾っていったバルサだったが*4、戦術面ではイブラへとボールを当てそこからの速い展開で相手を崩すという設楽監督が得意とする戦術の落とし込みは遅々として進まなかった。
就任したシーズン*5こそ低級のカップ戦を総なめしたものの、安定感に欠け、格下の相手にも取りこぼす試合が散見された。
2シーズン目に入り、選手間同士の連携も成熟している*6はずだが一向に戦術の熟成が進まない設楽監督は大きな決断を下す。
イブラをターゲットマンとしてではなく両サイドへと大きく展開したあとのフィニッシャーとして起用することにしたのである。*7
戦術面の転換により一時は持ち直したかのように見えたバルサだったが、局面での当たりの弱さから敵に押し込まれる展開が多く*8、両サイドバックの過剰な攻撃意識の高さ*9からスペースを突かれ失点を重ねる試合が増えてしまう。
解任の決定打となったのはジャパントロフィー1回戦、イタリアの強豪チームメッリョレガカルチョに0-3と惨敗した試合であった。
D・アウベスとJ・アルバがあがったスペースをジーコとPロッシに引き裂かれ成す術なく敗れた試合を見たクラブ会長は試合後設楽監督の解任を発表した。*10
設楽監督にとって特に予想外だったのはブスケツとロナウジーニョの両選手だろう。
ブスケツに関しては攻撃面では最低限の能力を発揮したものの、最後まで戦術に適合する気配が見られず周りの選手へのショートパスでの組み立てに固執した。また、1ボランチとしては運動量、ボール奪取力ともに物足りず、空いたスペースを利用されDF陣へと過剰な負担がかかる原因ともなっていた。*11
ロナウジーニョに関してはファンにとっても監督にとっても失望しかないシーズンであったといえる。違いを生み出し決定的なシーンを演出することを期待されていたが、簡単なボールロストを繰り返し、設楽監督の就任中に輝きを見せることはなかった。*12
解任後しばらくして、設楽氏のACミラン監督就任が発表された。
設楽監督が欧州三冠を達成したのはフロックだったのかどうか、ミランで真価が問われることになるだろう。
*1:俊輔が浅いところから放り込んでイブラが決めるのが鉄板得点パターンでした
*2:前記事の画像参照
*3:最初のころ本当にロングパス蹴らないんですよバルサの選手wwwww
*4:無理やりメッシとイブラにボールが渡ってドリブルごり押しゴールばかりでしたねまじで
*5:一応1シーズン30試合っていう想定です
*6:流石に黄金連携だけは簡単になりました
*7:逆サイドアタックGになったのでせっかくだからやってみよう的な
*8:ハイボールの競り合いとか体をぶつける場面の勝率めちゃくちゃ低かったです
*9:オーバーラップGはいろいろとやばいwwwww
*10:1任期どころか100試合いってない段階でCPU相手に10敗10分とかWCCFやりはじめてから初めての経験でした
*11:サイドに散らさないわ守備軽いわで大変でした。中盤の底の選手では世界的な選手のはずなんだけどなあ
*12:ガウショはまじでないわー、MVPつかっても最初から最後までトラップ際で取られるし無理な仕掛けして取られるしパス出さないし完全に左サイドに蓋してましたね